昭和111年、日本は無病長寿国となった中で、死ぬこともできない、主人公“大庭葉藏”…。
彼の物語を太宰治の小説をベースに描き、生死について考えさせられたり、アクションも見どころの『HUMAN LOST 人間失格』!
11月29日に公開されたこの映画の、まずはあらすじからご紹介しましょう。
[予告版動画はこちら]
前半のあらすじ
昭和111年の東京。極度に高度化された社会の中で、経済格差などいろいろな歪みが生まれ、その中で本来のネットワークからはみ出して異形化する「ヒューマン・ロスト現象」が広まっていました。
ヒューマン・ロスト現象を起こした異形体人間は「ロスト体」と呼ばれ、凶暴で人を襲う存在に。そして対ロスト体機関として、300人の「合格者」と呼ばれる人たちと、彼らに従う「S.H.E.L.L.機関」が構成されました。
そんな中、ひどい大気汚染や貧困の広がる「アイトサイド」エリアに住む主人公・大庭葉藏は、だらだらと怠惰な毎日を過ごしていました。
彼はある日、暴走集団とともに、特権階級の者だけが住むことができる「インサイド」エリアに突入しようとします。
ちょうどその時に遭遇したのがS.H.E.L.L.機関一員である柊美子。彼女はアプリカントと呼ばれる「人間から“ロスト体”になる者を探す能力を持つ」人間です。
彼女は、レインボーブリッジで暴走行為を働く葉藏と暴走集団の竹一がロスト体に変化したのを発見。自らが葉藏らに触れることで人間に戻すのに成功しました。
葉藏は堀木正雄という男からもらったドラッグを飲んだことで、一時ロスト体となり、竹一がインサイドに乗り込もうとするのを手助けしようとしていたのです。
葉藏は、美子からロスト体のことや自身がアプリカントに覚醒したことを教えられましたが、ひとまず堀木正雄の元へ向かい…
そこから彼の戦いが始まっていきます・・・。
生きることを見いだせない葉藏と対照的な竹一のテンションの高い姿が印象的でしたね。また、正雄と美子の見る未来が対照的だったりと、どのキャラクターも個性や心情が良く表されていました。また、設定も独特で、東京を舞台にした近未来のSFの世界観が見どころ。
環境汚染によるスモッグが蔓延し、人々はガスマスクを手放せず19時間も働くという設定は色々と怖くもなりましたね。
体内のナノマシンにより管理される人々は、120歳までの寿命を約束されますがそれは良いことばかりではない…
葉藏が仮死状態になっていた際にすぐに蘇生させたり、事故で腕を無くした竹一にロボットのような腕を付けたりするという設定に対し、死なないことに対しての問いかけも感じさせます。
あらすじ(後半と結末のネタバレ)
堀木正雄は葉藏が覚醒したと知り、今の無病長寿国の制度を壊して1から作り変えようと言うのです。
美子は別の明るい未来があると言って葉藏を説得しますが、正雄は彼の心臓を奪って巨大なロスト体と共にS.H.E.L.L.の本部と合格者を襲います。
美子は命を賭けて葉藏を救い、彼は正雄たちと戦って勝利を収めるのでした。
感想など
デザイン・アクションがカッコイイ!
ロスト体のデザインは怪物と言うのにふさわしく、凶暴で強い!ラストはビルと同程度の大きさで登場して圧巻でしたね。
また、覚醒した葉藏が変身する姿はまさにダークヒーロー。2段階あるどちらの姿もドクロや鬼といったモチーフを思わしつつも、強さを見せつけてくれました。
他にも、近未来らしさあふれる東京の街並みのデザインも素敵ですが、竹一のバイクもすごかったです。前輪が無くてホバーができるようになっていて、ウィリーする様やカーチェスは序盤での見どころと言えるでしょう。
堀木正雄の目的と過去、葉藏の変化とは?
正雄は医師として長寿国への発展に貢献していた過去を持っていた。そして彼には人間がロスト体になる未来しか見えなかったことで今回のような手段に出た…
しかも、大切な人がロスト体になって生きながらえさせているという、悲劇的なストーリーを持っていたのも色々と考えさせられましたね。
一方で葉藏が「生きている」という実感をした瞬間は果たしてどの場面だったか…
彼の身上の変化に注目してもう一度見たくなる作品でしょう。
覚醒した葉藏の姿は燃え盛るような骸骨にも似た見た目であることから『ゴーストラーダー』を想起させますね。また、死んでは生き返ることを繰り返す設定は『亜人』(アニメ・実写映画化)も思わせ、どちらもオススメしたい作品です。『人間失格』は邦画で実写化もしているため、作家である太宰の生涯と苦悩、そして女性たちとの遍歴を見たい方はそちらもオススメですよ。
太宰の小説との共通点、声優の評判など
『HUMAN LOST 人間失格』のの見逃し動画配信サービスは
主要動画配信サービス(U-NEXT、hulu、Amazonプライムビデオ、dTV、Netflix、FODプレミアム、TELASA、YouTube、GooglePlay)を全て見てみましたが、2020年10月18日現在、残念ながらこの映画の動画配信サービスはやっていませんでした。今後どこかで配信されるかもしれませんが、当面はDVDレンタルで観るのみとなりますね。
作品概要と主な登場人物紹介
作品概要
- 【原案】太宰治 『人間失格』
- 【スーパーバイザー】本広克行
- 【監督 】木崎文智
- 【ストーリー原案・脚本】冲方丁
- 【キャラクターデザイン】コザキユースケ
- 【音楽】菅野祐悟
- 【主題歌】m-flo 「HUMAN LOST feat. J. Balvin」
- 【制作会社】ポリゴン・ピクチュアズ
- 【企画・プロデュース】 MAGNET、スロウカーブ
- 【配給】東宝映像事業部
- 【上映時間】110分
- 【公開日】2019年11月29日
主な登場人物
- 大庭葉蔵(声:宮野真守)
- 柊美子(声:花澤香菜)
- 堀木正雄(声:櫻井孝宏)
- 竹一(声:福山潤)
- 渋田(声:松田健一郎)
- 厚木(声:小山力也)
- マダム(声:沢城みゆき)
- 恒子(声:千菅春香)
『HUMAN LOST 人間失格』の口コミ
『HUMAN LOST 人間失格』観た。
太宰治の人間失格原案ながら「医療の革命的な進歩により人が死を克服した昭和111年の東京」という世界観のまま冲方丁濃度100%で進んでそのまま終わるけど、一年ぶりの櫻井孝宏概念の煮こごり筆頭にキャストがアニゴジ二次会で楽しかったな。 pic.twitter.com/42l1S00p5T— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) November 29, 2019
「HUMAN LOST 人間失格」見たけど医療革命で人類が病気や死すら克服した結果、19時間労働が可能になって帰宅ラッシュが午前4時になっているというディストピアな世界観が怖すぎて泣いてしまった。 pic.twitter.com/w7ZGKmq1uG
— 加藤優美清春香菜 (@katoyuu) November 29, 2019
例えて言うなら…
PSYCHO-PASSとAKIRAと仮面ライダーアマゾンズと進撃の巨人と亜人とアニゴジとシドニアの騎士とギリシャ神話と国生み神話と人間失格を一つの鍋にぶち込んで出来上がった、暴力的な味の料理みたいな映画だった。#HUMANLOST
— トキタカ (@A_Tokitaka) November 29, 2019
小栗峻主演のこちらの映画も面白いです。
【ご注意】この記事の内容および配信情報は2019年12月2日時点のものです。その後、内容の変更や、配信が終了していたり見放題が終了している可能性がございます。現在の配信状況はサービス各社の公式サイトもしくはアプリをご確認ください。