『わたしを離さないで』は2016年1月から3月にかけて、TBS系「金曜ドラマ」枠にて放送されたテレビドラマ(全10話)。
原作は、日系イギリス人作家のカズオ・イシグロが2005年に発表した長編小説『Never Let Me Go(邦題:わたしを離さないで)』です。
発表直後から話題になったこの作品は、世界的に権威ある文学賞・ブッカー賞最終候補作品であり、英国で100万部を越えるなど英語圏で大ベストセラーとなりました。
テレビドラマ放送後の2017年にイシグロはノーベル文学賞を受賞し、その際には一気に日本でも知名度が増し、原作は増版されています。またベストセラー作家カズオ・イシグロの作品がドラマ化されるのは世界で初めてです。
脚本は『世界の中心で、愛をさけぶ』や『JIN-仁-』の森下佳子。
主演は綾瀬はるか、共演に若手俳優の注目株・三浦春馬、水川あさみ、その他にも、ベテランの麻生祐未、ミュージカル俳優の井上芳雄などが出演しています。
ドラマ撮影前に綾瀬は、イギリスにて原作者のイシグロと4時間以上にわたる対談に臨み役作りに挑んだそうです。
ドラマは原作で描かれたイギリスでの話を、設定を日本にしたもので、原作の主人公キャシーを「保科恭子」、育った施設ヘールシャムが「陽光学苑」というような形で置き換えられています。
生まれながらにある使命を与えられた「特別な子供」。過酷な運命を背負った主人公たちが、運命に抗いながら、人を愛することから希望を得ようとする、ヒューマンラブストーリーです。
カズオ・イシグロのこの小説からは、このドラマ以外にも、2010年にマーク・ロマネク監督で同名のイギリス映画が公開されたほか、2014年に、蜷川幸雄演出、倉持裕脚本で舞台にもなりました。(彩の国さいたま芸術劇場、愛知県芸術劇場 他)
第2章「コテージ編」のダイジェスト動画です。
https://youtu.be/RIdEruz3ZD0
それでは、ドラマ版『わたしを離さないで』の内容や見どころについて、ご紹介していきましょう。
ドラマの内容
世間から隔離された施設・陽光学苑。ここでには「良質」な教育を与えられ育てられている子供たちが暮らしています。
料理・絵画が得意で明るくお人好しな優等生の保科恭子(綾瀬はるか、幼少期:鈴木梨央)は、押しに弱く優柔不断な性格の土井友彦(三浦春馬、幼少期:中川翼)が気になっています。
トモ(友彦)は、絵が苦手かつ癇癪持ちである事で、からかいの対象にされていましたが、恭子や保健体育教師の堀江龍子(伊藤歩)らの心遣いからサッカー選手への夢を持つようになります。
恭子の友人で、常に自分が一番でないと気が済まない酒井美和(水川あさみ、幼少期:瑞城さくら)は、キョウコ(恭子)とトモが惹かれ合っていくのがおもしろくなく、キョウコがトモからもらったCDを盗んだり…とキョウコを振り回します。
そんな彼らは、子どもらしい生活、子どもらしい教育を享受している「普通の子ども」でしたが、ある日、生まれながらにある使命を与えられた「特別な子供」であることを教えられます。
自分たちの「本当の運命」…。
彼らに課された使命とは?学苑に隠された秘密とは?彼らはその運命を知ってからどう生きていくのでしょうか??
考えさせられるストーリー
主人公たちが背負っている運命があまりにも過酷すぎるので、放送当時は「暗すぎる」「週末に見たくない」という声も多く、
視聴率もあまり上がらなかったようです。
しかしストーリーをはじめ、演じている俳優さんたちの熱演は心に迫るものがあり、数年前のドラマですがとても記憶に残っているドラマです。
しかし、自分だったら…と置き換えてみても、あまりにも境遇が違いすぎるため、想像できない部分が多く、なかなか「共感」は得ることはできないお話でもあります。
でも、生きること、人を愛すること、生きる意味を持つこと、そしてタイトルの「私を離さないで」の意味…
それを深く考えさせてくれるドラマとなっていますので、ぜひ見ていただきたいな、と思います。
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『わたしを離さないで』は2021年6月現在、以下の各動画配信サービスで配信されています。
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作品概要と主な登場人物紹介
作品概要
- 【原作】カズオ・イシグロ『Never Let Me Go』
- 【脚本】森下佳子
- 【演出】吉田健、山本剛義、平川雄一朗
- 【出演者】綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみ、真飛聖 他
- 【制作】TBS
- 【放送】2016年1月15日〜 3月18日 毎週金曜 22:00〜 TBS金曜ドラマ枠 54分/10回
主な登場人物
- 保科 恭子(ほしな きょうこ)(綾瀬はるか/幼少期:鈴木梨央/原作でのキャシー)
数人の「介護人」を務める女性。陽光学苑を卒業後、友人の友彦、美和と共にコテージ『ブラウン』で暮らし始めるが、親しかった3人は徐々に崩れて行く。友人だった真実が自殺したことをきっかけに、一人コテージを去って行く。 - 土井 友彦(どい ともひこ)(三浦春馬/幼少期:中川翼/原作でのトミー)
陽光学苑では他からからかわれるような性格的に弱いところがあった。後に「提供者」となり、疎遠となっていた恭子・美和と再会する。 - 酒井 美和(さかい みわ)(水川あさみ/幼少期:瑞城さくら/原作でのルース)
小さい頃から勝気でわがままな性格。恭子のCDを盗んだり、恭子が親しかった友彦と無理やり交際を始めたりと、恭子を振り回す。
実は恭子のことを大好きで必要としている。 - 遠藤 真実(えんどう まなみ)(中井ノエミ/幼少期:エマ・バーンズ)
小さい頃から冷静沈着な性格。コテージで住人と共に「提供者」の権利を主張していくが、逃亡。その後自殺をする。 - 大山 珠世(おおやま たまよ)(馬場園梓/幼少期:本間日陽和/原作でのローラ)
明るく朗らかな女性で、友彦の介護人。
ドラマ『わたしを離さないで』の口コミ
このドラマをご覧になった方の感想です。
わたしを離さないで。
暗い内容だから、と、見ないようにしてる人が多いみたいだけど、これはたくさんの人に見てほしいと、強く思うドラマ。現代を生きる全ての人に。こういうドラマを、地上波で真っ向から訴えかけること、すごいと思う。 pic.twitter.com/ShvUxZV6wz
— ぽん (@tZdk51CyAtQ22dn) February 19, 2016
わたしを離さないで。原作を噛み砕いて良作になっていた。ブラボー。最後に美和会のようなエキセントリックなシーンを作らず、恭子とトモの恋愛ドラマで終わらせず、粛々と答えの出ない問いを描ききっていた。哀しいドラマだったけど、何度も、映像美に救われました。最終回、海も恭子も美しかった。
— ☃ゆう?? (@Yuuyuu2010) March 18, 2016
切なく悲しいドラマって敬遠しがちかもしれない。でもこのドラマは、脚本…役者さんの演技、そして音楽…どれもみんな素晴らしいから毎回引き込まれる人が多いと思う。時に愛しく思え、共感し、謎もあり…この先が気になる…目が離せない作品です。名作なのでみんなに見てほしい#わたしを離さないで
— ちず (@chizu_hm) February 6, 2016
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