ただ、一言で「感動秘話を基にした感動作」と言ってもたくさんありますし嗜好も人それぞれなので、今回は個人的なお勧めから隠れた感動作までテイストの違う作品を邦画に限定して厳選してみました。
なお、当ブログ内に、映画のあらすじ・見どころの記事を書いている作品もあります。各々リンクをつけておきますので併せてご覧ください。
[1位]空飛ぶタイヤ
2002年に発生した「横浜母子3名死傷事故」と「山口トラック運転手死亡事故」に伴う三菱ふそうのリコール隠しの実話がベースになっています。
悲しい事故が描かれている内容ですが、財閥企業の悪しき体質に立ち向かう主人公の「力に屈せず」「決して諦めず」真実を追い求める姿に人としての良心を掻き立てられます。
悪しき体質の中にも疑問を感じる人間が出てくる事に救いも感じました。
この作品を観て風化させてはいけない事件だと感じる事でしょう。
[2位]海賊とよばれた男
大ベストセラーとなった百田尚樹の歴史経済小説を映画化した作品で、戦後の混乱期に社員を一人も解雇せずに難局を乗り切った主人公の熱意を描いています。
この作品は出光興産の創業者 出光佐三氏がモデルになっているのですが、彼の熱意の源は日本人としての誇りでした。
従業員を人一倍思いやり、驕らず、偉ぶらず、感謝を忘れず、真っ直ぐな思いで人と向き合い、自らも泥をかぶって先頭に立つ主人公に心を熱くする事をお約束します!
こんな人なら自分の全てを賭けてみたいと思うのは私だけではないはずです。
[3位]殿、利息でござる!
この作品の監督は「奇跡のリンゴ」と同じ中村義洋氏なのですが、この作品は江戸中期の仙台が舞台になっています。
お上の恒例行事の費用負担で困窮にあえぐ宿場町を救おうと立ち上がる町人たちがユーモアたっぷりに描かれているのですが、笑えるだけではなく心を震わせる感動作なんです。
見返りを求めず、人を苦しめず、おごる事無く、慎ましく、控えめを常とし、自分ではなく弱き者や子々孫々の為に濁った水を清らかにし、恥じぬ生き方をする… 作中に出てくるこの言葉に日本人の美しさが凝縮されていて心に沁みます。
まだ未鑑賞の方は、騙されたと思って観てください。
[4位]日本で一番長い日
この作品は1967年版と2015年のリメイク版が製作されていてどちらも素晴らしいのですが、個人的には圧倒的な緊迫感と説得力から1967年版がお勧めです。
内容は、日本が降伏を決定した昭和20年8月14日の正午から15日正午までの24時間に起こった宮城事件や玉音放送が描かれています。
今の日本の平和があるのはこの24時間の出来事があったからだという事をまざまざと見せつけられ、当時の日本の行く末の運命を分けた事実と昭和天皇や当時の人たちの思いに日本人として心を締め付けられ感動しました。
誤った道を突き進んでいた日本が、今こうしてある修正の分岐点となった歴史事実を知るべき必見の作品です。
[5位]ビリギャル
人気女優起用の娯楽作品と侮るなかれ!!
勉強嫌いで遊び惚けていたギャル女子高生が一念発起して、有名大学に合格するまでの紆余曲折を描いた感動作なのです。
外見と言動で周囲からもバカにされ家庭でも辛い立場で居場所が無かった主人公が、味方になってくれる友人や母親、塾の講師の思いに応えようと奮起する姿には感銘します。
ラストに近づくに連れて熱い物がこみ上げてきます!
[6位]奇跡のリンゴ
「絶対に無理」とか「神の領域」と言われて誰も手を出さなかったリンゴの無農薬栽培を、10年近くもの月日を費やして成し遂げた木村秋則さんの苦悩と、彼を支えた家族たちの実話が描かれています。
無農薬栽培を手掛けるきっかけもそうですが、気の遠くなる様な時を無収入で生活する事や、周囲に辛く当たられても私財を投げ打って彼を支えた家族たちにも感動します。
これほどの困難を乗り越えられた木村さんとご家族は凄すぎます!
[7位]こんな夜更けにバナナかよ
筋ジストロフィーと言う難病を抱える鹿野靖明と、彼を支えた家族とボランティアの人々を描いたコメディタッチの作品です。
鹿野氏の人間性に作風も相まって悲壮感ゼロなんですが、ストーリーが展開していく内にどんどんと感動していく内容になっています。
悲しくもこの世を去った三浦春馬さんが出演しているこの作品、良い作品なのでお勧めです。
[8位]東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
事実を基に…と言う意味では自伝小説作品なのでちょっとテイストが違うかも知れませんけど、事実ベースの感動作なのと個人的に大好きな作品なのでリストに入れました。
リリーフランキーの名を一気に有名にしたこの作品。
亡き母との思い出を綴った内容で日常が描かれているのですが、子に対する母の愛情と不器用な親孝行に涙なしには観られません。
[9位]BOX 袴田事件 命とは
戦後最大の冤罪判決としてあまりに有名な袴田事件の背景を描いた作品です。
昭和41年、静岡県清水市で発生した殺人放火事件の容疑者として逮捕され袴田巌。
彼の裁判に主任判事として事件を担当する事になった熊本典道の苦悩と、袴田が数奇な人生を送る事になる背景を描いています。
日本の法律と司法制度に大きな疑問を投げかけるきっかけとなったこの事件ですが、今現在になって司法の本質は変わったのでしょうか?
真実を明かし罪を裁くはずの司法とその基準となる法律…違った視点での感動作です。
[10位]海難1890
トルコとの合作で制作されたエルトゥールル号遭難事件を舞台にしたこの作品。
かなり美化され演出を施された内容になっているので、事実と言うよりはエンターテインメント性を重視した作品ではありますが、感動的な作品に仕上がっている「隠れた感動作」なので挙げました。
テーマは「真心」で、人として何が大切なのかが描かれています。
私が観た “実話を元にした感動できる映画” で、今回は邦画に絞って、特におすすめの作品をご紹介いたしました。
ランキングにしましたが、どれもとても感動的な名作です。ぜひご覧になってください!