映画『クライマーズ・ハイ』は2003年に『別冊文芸春秋』に掲載された、横山秀夫原作小説の映画化作品です。
同年、単行本も発行され、2003年の週刊文春ミステリーベストテン第1位、2004年の本屋大賞第2位を受賞しました。
ストーリーは群馬の「上毛新聞」の記者であった横山氏が、記者時代に遭遇した「日本航空123便墜落事故」を題材にしたもの。未曽有の事故を目前にした地方新聞社の記者達が社内外で奮闘する内容になっています。
2005年にNHK土曜ドラマ枠でドラマ化もされました。
[予告版動画はこちら]
『クライマーズ・ハイ』のあらすじ
主人公の悠木は、群馬県の地方新聞「北関東新聞」の遊軍記者です。
社内登山サークル「登ろう会」のメンバーでもある彼は、サークル仲間で親友の販売部安西と、難関「谷川岳」の登山に挑む約束をしていました。
仕事を済ませ、谷川岳で待つ安西との待ち合わせに向かうために帰宅しようとした悠木でしたが、社会部記者の佐山から「ジャンボの機影が突然消えた」との情報が入ったのです。
記者の勘から只事ではないと直感した悠木は、社長・白河に“全権を担った責任者(全権デスク)” にしてもらうよう直談判に向かいます。
社内政治を利用し権力の掌握を図る粕谷編集局長は、悠木を全権デスクに任命します。そして悠木が錯綜する情報を調べていくと、これが航空機史上でも最悪な墜落事故である事が判明します。
浅間山荘事件、大久保清事件に続く、社内でもトップクラスの大事件のデスクになった悠木。社内の派閥争いに巻き込まれ、被害者対応の板挟みになりつつも明らかになっていく真相に、彼は様々な決断を迫られていきます。
時代が流れ、事故の存在自体を知らない世代が多くなった今、事故当時の事実がこの作品に描かれているのです。
実際に現場で記者をしていた横山氏だからこそ描けるストーリー展開!・・それが最大の見どころになっているのは勿論ですが、横山氏だからこそ知り得る真相を匂わせた脚本も興味深い点となっています。
この作品を観る事によって事故が如何に凄惨だったのか?現場の報道記者達の思いとはどうだったのか?を知る事が出来て、この事故に対する思いが湧き出てくることでしょう。
◆『クライマーズ・ハイ』のお勧めポイント
「情報操作」「真相は闇の中」という言葉がありますが、この作品には現場の記者達が知りながらも公言できなかった「真相」を匂わせるセリフや演出が散りばめてあります。
当時記者だった横山氏が言いたくても言えない真相。旅館から記者仲間が電話してきた電話の内容、悠木が最終決断した記事内容を知った白河が浴びせた一言・・・
搭乗者に知人がいた私には、個人的にも格別の作品です。是非観て何かを感じてほしいです。
作品概要と主な登場人物紹介
作品概要
- 【原作】横山秀夫「クライマーズ・ハイ」文藝春秋
- 【監督】原田眞人
- 【脚本】加藤正人、成島出、原田眞人
- 【製作】若杉正明、竹内成和
- 【音楽】村松崇継
- 【主題歌】元ちとせ「蛍星」(イメージソング)
- 【配給】東映、ギャガ
- 【公開】2008年7月5日
- 【上映時間】145分
主な登場人物
- 悠木和雅(堤真一)
本作の主人公。北関東新聞社の遊軍記者。谷川岳に登ろうと予定していた時に日航機事故が発生。その後日航機事故担当全権デスクとなり、事件を追っていく。 - 佐山達哉(堺雅人)
社会部記者・県警キャップ。悠木が最も信頼を寄せる記者。佐山も悠木を信頼している。悠木とともに日航機事故を取材していく。 - 玉置千鶴子(尾野真千子)
地域報道班の記者。熱心に事故を調べ、事故原因は「隔壁破壊」だということを知る。 - 等々力庸平(遠藤憲一)
社会部の部長。当初悠木や佐山の行動をよく思っていなかったが、後に擁護する立場に変わる。 - 安西耿一郎(高嶋政宏)
販売部の社員。「登ろう会」の中心メンバーで、悠木とは山仲間。谷川岳への登山の前夜、繁華街で倒れる。 - 白河頼三(山崎努)
北関東新聞社社長。
『クライマーズ・ハイ』の口コミ
この映画についての口コミを拾ってみました。
好きな人は好きな映画「クライマーズ・ハイ」新聞社って大きな事件があると、ホントにこんな感じになるんでしょうか?それともこれは時代が時代だったから??「半沢直樹」の堺雅人さんと、良い脇役の俳優さんも出てます。
— 自分の常識や当たり前が他人と同じと思うなボケ! (@e1_1125) January 9, 2020
映画「クライマーズ・ハイ」実在の事故の物語ではなくひとりの新聞記者の生き様を描いた映画。もう少しバッググラウンドと人間関係が見えるともっとのめり込めそう。俳優陣がとても良かった。息遣いでギリギリの状態が伝わる。これはどのシーンも参考にして盗みたい。
— トンヌラ (@tonnelat2222) January 5, 2020
昨日CSで映画「クライマーズ・ハイ」がやっていたので途中からだけど観てしまった。もう何度も観ているし原作も読んでいるが、久しぶりに観たらなんだかいつもと違った意味で泣いちゃった。私もサラリーマンといわれる得たいの知れない者になって、もう10年以上経ったか。
— 黎明 (@reimei_f98) November 27, 2019
『クライマーズ・ハイ』の見逃し動画配信サービスは
『クライマーズ・ハイ』は2020年3月現在、FODプレミアムとTELASAのみで以下の各動画配信サービスで配信されています。
動画配信サービス | 配信サービスの内容 |
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FODプレミアム | レンタル 400ポイント(2日間) |
TELASA | 400円+税(7日間) |
※情報は2020年3月20日現在のものです。料金には消費税を含んでいます。