映画『罪の声』(2020年公開)は、小説家 塩田武士の小説が原作で、1984年と1985年に起きたグリコ・森永事件がモチーフになっています。
監督は土井裕泰氏。「GOODKEYWORD LUCK !!」「ビューティフルライフ」などの演出に携わった元TBS社員で、監督に転向後も「ビリギャル」「麒麟の翼〜劇場版・新参者〜」など数々のヒット作を世に送り出しました。
塩田武士は新聞記者出身の経験を活かし、緻密な取材を重ね、取材で得た事実を基に本作品の執筆をしたと残しています。
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『罪の声』のあらすじ
時は2018年(平成30年)のクリスマス、テイラー(仕立て屋)を営む曽根俊也は大阪で愛娘と妻の3人で幸せな生活をおくっていました。
クリスマスの準備をしていると、クリスマスツリー用の電飾が壊れている事がわかり替えの照明を押し入れの奥を探しはじめます。
すると、亡くなった父の名札が付いた古い箱が見付かり懐かしさから中を調べ始め、「1984」と記されたカセットテープとびっしりと英語で埋め尽くされたメモ帳が見付かって、曽根は興味を惹かれます。
片や場所はイギリスのロンドン、大日新聞の記者である阿久津英士が39年前の事件を取材をしていました。
阿久津は昭和の未解決事件を追う記事のために、上司の命令で不本意ながら、1983年に起きた「ハイネケン社長誘拐事件」を調べています。1984年(昭和59年)に起きた「ギン・萬事件」の犯行内容と酷似していたからでした。
その頃、大阪の曽根は興味本位でカセットテープを再生し手帳を調べます。
調べを進めていく内に、「ギン・萬事件」の犯行に使用された脅迫電話の声が子供の頃の曽根自身で、メモ帳の内容も事件の犯行に関わる事だった事を知ります。
世紀の未解決事件に自分自身と家族が関係している事を知ってしまった曽根は…
一つ目は脚本です。原作は原作者が事件に関してかなり緻密な取材を重ね、可能な限り史実に忠実に書かれているので、フィクションでありながら随所に「知られざる事実」を交えリアリティがある内容になっています。展開やテンポも秀逸で、興味を削がれる事なくラストまで目が釘付けになる事でしょう。
二つ目はキャスティングです。そうそうたる実力派俳優たちが出演していて、各シーンの深みと言うか重厚感を感じます。邦画にありがちな「人気俳優やタレント起用作品」とは一線を画す魅力を感じます。
『罪の声』のお勧めポイント
世紀の未解決事件として社会問題にもなった「グリコ・森永事件」がモチーフとなっていて、全くの空想ではなく取材内容がベースになっているので実に興味深いストーリーになっています。
あくまでもフィクションなので犯人につながる展開はエンターテインメント要素が強いのですが、この事件をオンタイム知っている世代はもちろんですが、事件自体を知らない若い世代の人にも受け入れやすく楽しめる作品になっています。
加えて、随所に散りばめられた真相ではないかと思わせる数々の演出もこの作品の大きな魅力になっています。
この作品を観て、あなたなら事件の真相をどう思いますか?
『罪の声』の見逃し動画配信サービスは
『罪の声』は2021年6月現在、以下の各動画配信サービスで配信されています。
動画配信サービス | 配信の有無 |
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※料金は消費税を含みます。レンタルは視聴期間の限定と月額とは別に都度課金があります。
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主な登場人物と作品概要
主な登場人物
- 阿久津英士(小栗旬)
本作の主人公。大日新聞の記者。姫路・京都・大阪で警察担当を経験している。ギンガ萬堂事件の企画記事に応援要員として入り、事件について深く関わっていく。 - 曽根俊也(星野源)
亡くなった父の後を継いでテーラーを営む男。父親がギンガ萬堂事件に関与したかどうかを知りたいという思いで調査を進めていく。 - 水島洋介(松重豊)
大日新聞の子会社社長。かつては大日新聞本社の社会部次長として、ギン萬事件にも関わり、事件当時の資料を保管していた。 - ギン萬事件企画記事を発案した、大日新聞の事件担当デスク。
- 生島秀樹(阿部亮平)
かつて滋賀県警の暴力団対策担当だったが、暴力団からの収賄疑惑で警察をやめさせられた男。
鳥居雅夫(古舘寛治)
作品概要
- 【監督】土井裕泰
- 【脚本】野木亜紀子
- 【原作】塩田武士『罪の声』
- 【製作】那須田淳
- 【音楽】佐藤直紀
- 【主題歌】Uru「振り子」
- 【制作会社】TBSスパークル、フイルムフェイス
- 【製作会社】「罪の声」製作委員会
- 【配給】東宝
- 【公開】2020年10月30日
- 【上映時間】142分
【ご注意】この記事の内容および配信情報は2021年6月17日時点のものです。その後、内容の変更や、配信が終了していたり見放題が終了している可能性がございます。現在の配信状況はサービス各社の公式サイトもしくはアプリをご確認ください。