今回ご紹介する『海賊とよばれた男』は、小説家・百田尚樹の同名の歴史経済小説を実写化した作品です。公開は2016年。
監督は「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」「アルキメデスの大戦」などのVFXを駆使したヒット作で知られる山崎貴。
この作品は、出光興産と創業者の出光佐三をモデルに、国岡商店が大企業に成長するまでの過程が描かれています。
原作は上下巻合わせ420万部を超える大ベストセラーになりました。
[予告版動画はこちら]
『海賊とよばれた男』のあらすじ
舞台は戦争が終わった昭和20年、東京は瓦礫の山で人々は失意のどん底でした。
田岡商店の社員たちも会社の将来に不安を抱え、誰がクビになるのか戦々恐々としています。
そんな噂が社内でも絶えない中、店主の国岡鐡造が社員たちを集め彼らの前で断言します。
「ひとりの馘首もならん!誰ひとりとしてクビにはせん!」国岡鐡造は一人の社員も解雇する事なく、会社の再建に挑みます。
とは言え、同業他社から睨まれ組合からも締め出されていた国岡商店に売るべき石油がありません。
戦後で買い付けるだけの資金が無い状況を打破する為に国岡は愛蔵の美術品を売り払って資金を調達します。同時に事業拡大を狙い、営業活動未経験の退役軍人までも雇い入れます。
「人こそ会社の財産である」国岡のポリシーが功を奏して、海軍からラジオの修理依頼を取り付けます。少しづつ事業が動き出した国岡商店ですが、店主の国岡は日本の将来を見越して石油事業に返り咲く事を念願としていました。
そんな中、GHQは日本の石油輸入再開の条件として旧海軍の燃料タンクから燃料をさらう事を組合に突き付けました。どのライバル会社も汚れ仕事と忌み嫌い、その仕事国岡に押し付けます。
その事を社員に告げる国岡でしたが、国岡を信頼している社員たちはその汚れ仕事を喜んで受けるのでした。
汚れ仕事に対して必死になって働いている国岡商店の社員たちの姿に感動したGHQは…
打ちひしがれている社員たちを鼓舞し、自らも泥をかぶる事で社員や周囲の人間たちの心を掴み難題難問を乗り越える生き様に胸を熱くさせられます。
もう一点は、スクリーンに広がる映像美です。山崎貴監督作品の特徴であるVFXが駆使されていて、敗戦直後の世界観は一見の価値ありです。
辛い事でも、視点や捉え方を変える事で意識が変わる事をこの作品は教えてくれます。
◆お勧めポイント
原作が実話をベースに作られている事もあって、脚本が良く出来ています。登場する訓示や名言の数々も出光佐三のものを引用している部分が多く、説得力があり心に響きます。
主演の岡田准一はこの作品で20代から90代まで全ての年代を熱演していますが、役者として素晴らしい仕事をしています。
この作品を観て頂ければ、原作がなぜミリオンセラーになったのかを感じて頂けると思います。仕事をすることで悩んでいる方はもちろん、人を動かす立場の方には特に観て頂きたい素晴らしい作品です。
『海賊とよばれた男』の見逃し動画配信サービスは
『海賊とよばれた男』は2020年3月現在、以下の各動画配信サービスで配信されています。
動画配信サービス | 配信の有無 |
---|---|
U-NEXT | レンタル 500円+税 |
hulu | × |
Amazonプライム・ビデオ | × |
FODプレミアム | レンタル 500ポイント |
dTV | レンタル 440円〜 |
Netflix | × |
TELASA | レンタル 500円+税 |
YouTube | レンタル 300円~ |
Google Play | レンタル 300円~ |
※情報は2020年3月23日現在のものです。料金には消費税を含んでいます。
※レンタルとは、月会費とは別にそれを観る時に別途課金されるもので、各サービスにより2日間~7日間程度の視聴期間が設定されています。
主な登場人物と作品概要
主な登場人物
- 国岡鐵造(岡田准一)
この作品の主人公でモデルは出光興産創業者の出光佐三。石油商の国岡商店を、いろいろな困難を超えて大きな石油会社に育てる。 - 国岡ユキ(綾瀬はるか)
鐵造の妻(前妻)。国岡商店がまだ小さく貧しかった頃に嫁いできて、鐵造と共に発展させていくが、世継ぎができなかったことで自ら離婚を申し出、離婚後は遠くから見守っていく。 - 東雲忠司(吉岡秀隆)
国岡商店の店員。モデルは出光興産三代目社長で後の経団連副会長・石田正賓。 - 武知甲太郎(鈴木亮平)
国岡商店の店員。元・陸軍中野学校教官。いろいろな情報蒐集に長けている。 - 柏井耕一(野間口徹)
国岡商店の店員。物覚えが悪いところがあるが、人一倍熱心に努力する男。
作品概要
- 【監督】成島出
- 【脚本】多和田久美、成島出
- 【原作】北川恵海
- 【音楽】安川午朗
- 【主題歌】コブクロ「心」
- 【制作会社】シネバザール
- 【製作会社】映画「ちょっと今から仕事やめてくる」製作委員会
- 【配給】東宝
- 【公開】2017年5月27日
『海賊とよばれた男』の口コミ
この映画についての口コミを拾ってみました。
百田直樹の映画。
『永遠の0』
軍人が国のために命を捧げる話。『海賊とよばれた男』
社会人が社会のために命を捧げる話。『フォルトゥナの瞳』
恋人や身近な人のために命を捧げる話。 pic.twitter.com/t0bHJmydzR— 鈴木田 (@aikyousinbun) February 27, 2019