『タイガー&ドラゴン』の落語を総チェック!ドラマがもっと面白くなる

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2005年にTBS系で放送され、大人気となった、宮藤官九郎脚本の『タイガー&ドラゴン』

タイトルの「タイガー&ドラゴン」が主人公の「虎児(小虎)」と「竜二(小竜)」にも掛かっているのは基本として、全編を通して落語をベースに描かれているのがとても楽しいドラマでした。

古典落語と創作落語の双方を織り交ぜ、さらにいろいろな小ネタも満載し、落語初心者でも解りやすく楽しめました。

この記事では『タイガー&ドラゴン』をより楽しめるよう、各回の落語をあらためてピックアップし、解説してみます。

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このドラマのあらすじや感想はこちらに書きました。↓
ドラマ『タイガー&ドラゴン』のあらすじ・感想・見逃し動画は
目次

第1話から最終話まで全落語をチェック!

サブタイトルや作中に落語の演目も出ているので、ネタバレは避けつつ演目の解説をしていきたいと思います。

第1話【芝浜(しばはま)】

現在の港区芝4丁目の第一京浜の南側にあたる地名が由来で、夫婦の愛情を暖かく描いた人情噺。大晦日に演じられることが多く、映画「億男」の脚本にも引用されている有名な古典落語です。

主人公は魚の行商を生業としている勝。酒好きで失敗も多い勝は、女房と二人、長屋で貧乏暮らしをする日々でした。
ある朝、魚市場に仕入れに向かった勝は海辺で財布を拾いますが、中には驚くほどの大金が!!

大喜びで、その日は思う存分酒を飲む勝でしたが、一晩寝て起きるとなんと財布がない!
あわてて女房に訊きますが、女房は「お金を拾ったなんて夢でも見たんでしょ」とすげない返事。諦めた勝はそれをきっかけに断酒もし、仕事に精を出すようになりますが・・。

第2話【饅頭怖い(まんじゅうこわい)】

若手が鍛錬のために演じる「前座噺」のひとつとして知られる古典落語ですが、多くの大物噺家が得意ネタとしていたことも有名です。

ある時、暇をもてあました数名が集まって、自分の嫌いなものや怖いものを言い合っていく遊びをしていました。
そんな中でひとり、「俺は世の中に怖いものなどない」という男がいました。ですが他の男からさんざん追求されると「本当は怖いものがある」「実はまんじゅうが怖い」と告白します。
男が寝てしまった跡、他の男達が意地悪をしようと、その男の部屋にまんじゅうをたくさん投げ込むのですが、実はまんじゅうが大好きな男の悪知恵だったという・・町人がまんまと騙されてしまう笑い話です。

第3話【茶の湯(ちゃのゆ)】

1800年代に書かれた「茶菓子」という笑話が原型とされます。
主人公は元大店の店主だったご隠居さんと、小僧の定吉。退屈凌ぎに茶の湯をやろうと始めます。茶室も茶道具もお店に備わっていたものの、全くやったことのないご隠居。ですが定吉には知った風にいろいろと指図をします。もちろん定吉も何もわからないままいろいろと進めていきます。ご隠居は茶会を催すようになりますが、それが長屋の住人や教師など多くの人を巻き込んでの大騒動に。。。

第4話【権助提灯(ごんすけちょうちん)】

古典落語のひとつ。
お互いの存在を知りつつも相手の女性を気遣う器量よしの妻と愛人を持つ店主が、二人の女性に愛想を尽かされ煙たがられる様に権助が翻弄される笑い話。

第5話【厩火事(うまやかじ)】

別名を「厩焼けたり」ともいう古典落語。
ぐうたら亭主と亭主を愛しているしっかり者の女房による喧嘩話。

第6話【明烏(あけがらす)】

「明烏」とは明け方に鳴くカラスのこと。両想いになった二人が引き裂かれって最後に心中するという、実際にあった情死事件を情話として脚色した演目です。大真打がトリで演じる大ネタとされています。
8代目桂文楽の得意ネタとして有名で、源兵衛が甘納豆を食べる場面では、寄席の売店で甘納豆が売り切れたというエピソードが残っています。

第7話【猫の皿(ねこのさら)】

旅人が旅先である茶店に立ち寄ります。旅人は店主を言いくるめて名品の皿を買い叩こうとしますが、実は店主の方が一枚上手で旅人の方を騙していた、という滑稽話。

第8話【出来心(できごころ)】

別名を『花色木綿』と言い、泥棒噺の一席に数えられる古典落語のひとつ。
主人公はある間抜けな泥棒。「もう泥棒をやめろ」と兄貴分にも見限られます。彼はなんとか自分の実力を証明しようとある長屋に忍び込みますがそこは貧乏長屋で何もない・・。部屋を物色中にあやうく家人と鉢合わせしそうになった泥棒はあわてて隠れますが、その家人は泥棒が入ったことをいい機会だと家賃を免除してもらうためにホラを吹き・・。

第9話【粗忽長屋(そこつながや)】

数多くある粗忽者(そそっかしい人)が題材となる落語の中でも代表作とされる古典落語のひとつで、演出が非常にむずかしいとされています。
八五郎という男が、町で行き倒れの死体を見て、これは自分の住む長屋の住人だと言います。周りは人違いだと言いますが、急ぎ長屋に戻ってみると本人は生きている。そして当の本人はというと、元気なのに、八五郎に「お前はそこつ者だから死んだのに気がついてないだけだ」と言いくるめられ、実は死んでるんじゃないかと思い始める滑稽話。

第10話【品川心中(しながわしんじゅう)】

品川の遊廓を舞台に、女郎が客を騙して心中を図るものの、心を入れ替えた客が自分を騙した女郎に仕返しを目論む人情噺。

最終話【子は鎹(こはかすがい)】

古典落語の大ネタ「子別れ」と同題の演目。(3部構成になっている「子別れ」の下の部だけを指す場合もある)
腕は良いが酒が原因で身を持ち崩し嫁子供に愛想を尽かされ出ていかれた男が、心を入れ替えて真っ当に生きていく事で嫁子供と再会する人情噺。

スペシャル【三枚起請(さんまいきしょう)】

元々は難波新地のお茶屋を舞台にした上方落語の噺であったものを、舞台を吉原遊廓に変えて東京に持ち込まれた古典落語のひとつ。
遊郭で客と遊んだ遊女が結婚を約束する「起請文」と呼ばれる疑似書類を交わす事が流行していて、その気になった客たちが自慢げにその起請文を見せびらかすも、みんな同じ起請文を持っている。
その場に居合わせていた、遊女に本気で惚れていた男はその起請文を出すに出せなくなったという笑い話。

まとめ〜笑いの本質は今も昔も同じ!

ドラマ『タイガー&ドラゴン』に出てくる落語を一挙ご紹介しました。

古典落語というと、若い世代の方にはとっつきにくいものかもしれません。ですが『タイガー&ドラゴン』ではそれを現代の話に置き換え、宮藤官九郎流にアレンジされており、楽しく観ることができます。笑いの本質は昔と変わらないと思えます。
『タイガー&ドラゴン』をまだ観た事が無い方は、ちょっとでも落語の知識を持って観ると面白さが倍増すると思います。

『タイガー&ドラゴン』の見逃し動画配信サービスは

『タイガー&ドラゴン』の配信情報を探してみたのですが、2021年6月現在、どこのサービスでも配信されていないようでした。ですが宅配レンタルDVDでは見られますので、ぜひそちらでご覧ください。
 
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ドラマ『タイガー&ドラゴン』のあらすじや感想はこちらに書きました。

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