映画『はたらく細胞』は、清水茜による同名漫画を原作とした作品です。
人間の体内を舞台に、赤血球や白血球といった細胞たちが、日々懸命に働く姿を描いています。
「体の中の細胞を擬人化した作品」と聞くと、どこか教育向けで、子どもが楽しむための映画という印象を抱いてしまう方も多いでしょう。
しかし、実際に『はたらく細胞』を観てみると、その印象はいい意味で裏切られることになります。
確かに、子どもが観てもわかりやすく、親しみやすい作品になっていますが、その奥には大人だからこそ刺さるテーマが流れているのです。
この記事では、映画『はたらく細胞』の魅力を徹底解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
映画『はたらく細胞』のあらすじ
〈予告動画はこちら〉
人間の体内では、無数の細胞たちが日夜休むことなく働いている。酸素や栄養を運ぶ赤血球、体内に侵入した細胞やウイルスと戦う白血球をはじめ、それぞれの役割を担った細胞たちが、人間の命を守るために懸命に活動しているのだ。
高校生の漆崎日胡は、父親の茂と2人で暮らしている。
毎日健康的な生活を送っている日胡の体内の細胞たちは、いつも楽しく働いている。一方、不摂生な生活を送る父親の茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れた細胞たちがいつも文句を言っていた。
体内の環境は大きく異なるが、仲良しな親子2人はにぎやかな生活を送っている。
しかし、ある日体の中で様々なトラブルが発生する。
怪我や体調不良、外部からの侵入者により、平穏だった体内は一気に緊張状態へと変わっていく。
迫りくる危機に立ち向かうため、細胞たちは自らの使命を全うしようと奮闘する。
目立たない仕事を続ける者、最前線で戦い続ける者。
漆崎親子の未来をかけた、細胞たちの「体内史上最大の戦い」が幕を上げる。
映画『はたらく細胞』のキャスト

映画『はたらく細胞』では、豪華なキャストも見どころの1つです。ここでは、『はたらく細胞』のキャストについて解説していきます。
永野芽郁(赤血球役)
多くの映画やドラマで主演を務めており、明るいキャラクターからシリアスな役まで幅広く演じる。本作では、体内で酸素を運びまわる赤血球を演じている。
佐藤健(白血球役)
日本を代表する実力派俳優。特に、『るろうに剣心』シリーズの主人公・緋村剣心役で知られる。アクションにも定評があり、本作では外敵と戦う赤血球役で力強い演技を見せる。
芦田愛菜(漆崎日胡役)
子役出身の人気女優。『マルモのおきて』などで注目を集め、成長後も多くの作品で高い演技評価を受けている。本作では、高校生の日胡役を務め、物語の人間側の視点を担う。
阿部サダヲ(漆崎茂役)
個性的なキャラクターを演じることが多い俳優。本作では日胡の父・茂を演じ、不摂生な生活が体内環境に影響する重要な役どころとなる。
映画『はたらく細胞』が大人にも刺さる理由
これまで、『はたらく細胞』の基本的な情報について解説してきましたが、「やっぱり子供向けなんじゃないか」「大人が観ても面白くなさそう」と感じた方もいるかもしれません。
しかし、前述の通り、映画『はたらく細胞』は大人にこそ刺さるテーマが散りばめられているのです。
では、なぜこの作品が大人に刺さるのか、ここではその理由について解説していきます。
①描かれているテーマが現実的過ぎる
映画の中で描かれているのは、風邪、怪我、感染症、体調不良といった、誰もが経験する現実です。我々の体の中では、常に何かが起こり、細胞たちは休むことなく対応し続けています。
それはどこか、疲れを感じながら働く私たち大人の姿とも重なって見えるでしょう。
ただ楽しいだけでは終わらない、少し重さを含んだ描写がこの作品を大人向けにしているのです。
②それぞれの役割を背負うキャラクター
体の中で白血球は常に戦い続け、赤血球は目立たない仕事を黙々とこなしています。彼らは自分の役割から逃れることができません。
その姿は、仕事や家庭、責任を背負いながら生きる大人の姿そのものに見えてきます。
誰かに評価されなくても、目立たなくても、いなくなれば困る。
そんな存在として描かれる赤血球やその他の細胞たちは、決してヒーロー的ではありません。
だからこそ、彼らの働きはリアルで大人たちからの共感を呼ぶのです。
誰かのために働くという当たり前の行為がこんなにも尊いものだと気づかされるでしょう。
③映画ならではの演出と余韻
実写映画版の『はたらく細胞』は、映像表現によって作品の印象を大きく深めています。
体内の世界は立体的に描かれ、戦闘シーンにはしっかりとした緊張感があります。
しかし、本作が印象に残るのは派手なシーンだけではありません。
むしろ、静かなシーンでの「間」や、感情を強調しすぎない音楽の使い方が、観る側の心に余韻を残します。
説明しすぎず、泣かせにきすぎない。
それでも、鑑賞後には不思議と心に何かが残ります。
それは、「命が当たり前に続いていること」への再認識かもしれません。
アニメ原作でありながら、映画として丁寧に作りこまれているからこそ、『はたらく細胞』は話題性だけに頼らない、一本の映画として成立しているのです。
④「当たり前」が当たり前ではないと気づかされる
映画『はたらく細胞』が突き付けてくるのは、私たちが普段意識していない「当たり前」の尊さです。
息ができること、体が動くこと、熱が下がること。
それらは自然に起きているようで、体の中では無数の細胞たちが連携し、必死に働いた結果として成り立っています。
大人になると、健康であることも当たり前だと思ってしまいがちです。しかし、本作ではその前提を揺さぶります。何気ない日常が、どれほど綱渡りの上に成り立っているかを、映像として見せてくれるからこそ、観終わった後に自分の体を労わりたくなるのです。
⑤そっと自分を肯定してくれる
『はたらく細胞』の細胞たちは、常に完璧ではありません。ミスをすることもあれば、間に合わないこともあります。それでも彼らは、自分にできることを必死にやり続けています。
この姿は、「常に完璧でなければならない」と思い込みがちな大人の心に寄り添ってくれるでしょう。すべてを完璧にこなさなくても、今日生き延びること自体に意味があるのだと本作は語りかけているように感じられます。
前向き過ぎず、説教くさくもない。
それでも確かに、観る者の肩の力をそっと抜いてくれる。
このささやかな優しさこそが、『はたらく細胞』が大人に刺さる理由の1つです。
原作を知らなくても楽しめる?
結論から言うと、映画『はたらく細胞』は予備知識は全く必要ないため、原作やアニメをまだ見ていない人でも十分楽しめます。
映画の冒頭で世界観や設定が丁寧に説明されるので、キャラクターや体内の仕組みを知らなくても自然と物語に入り込むことができるでしょう。
登場する細胞たちは、それぞれの役割が明確で、行動にも一貫性があります。
そのため、「今何が起きているか」「なぜ戦っているのか」が直感的に理解しやすく、初見の人でも置いていかれることはありません。
もちろん、原作やアニメを知っていれば細かな演出やキャラクター同士の関係性により深く気づける楽しさがあります。
しかし本作は、原作ファンに向けた閉じた作品ではなく、はじめて『はたらく細胞』に触れる人でも十分に楽しめる映画です。
まとめ【現代社会を生きる大人にもしっかり刺さる作品】
映画『はたらく細胞』は確かにわかりやすく、一見子ども向けの作品に見えます。
しかし、本当にこの作品が刺さるのは日々体を酷使しながら生きている我々大人なのかもしれません。
気軽に観られて、観終わった後に少し優しくなれる。
『はたらく細胞』はそんな映画を探している人におすすめの作品です。
