
今までに数多くの論争を巻き起こして議論のネタになったエヴァンゲリオンの世界ですが、やっぱり最初はむちゃくちゃ難解です。そこで改めて私の考察を含めつつ解説を書いていこうと思います。
[『新世紀エヴァンゲリオン』の予告版動画はこちら]
この作品の根幹はキリスト教!ベースは「2001年宇宙の旅」へのオマージュ?
『エヴァンゲリオン』の根幹にはキリスト教が深く関わっています。もっと言うと、旧約聖書の福音「創世記」がベースになっています。
「創世記」に出てくる人類最初の女性「イヴ」は「エヴァ」とも言われ、これはヘブライ語で生命を意味します。そして「エヴァンゲリオン」はギリシャ語で「福音」という意味で、さらにこの「イヴ(エヴァ)」とも掛けていると言われています。
創世記は、人類最初の男性アダムと最初の女性イヴ(エヴァ)が知恵の実を食べた事で進化していき、生命の実を食べると神に近い存在になる…って内容なんですが、『エヴァンゲリオン』は人類が知恵の実を食べた事で悲劇を生み、生命の実を食べて神になろうとする人物とその策に翻弄される主人公たちの話です。
「すべての人類の源は女性であり母なるエヴァである」というキリスト教の根幹から、人造人間エヴァンゲリオンは主人公たちの母親の魂が宿っていて、登場する主人公たちはその子供たちなのです。
しかも!エヴァを操縦できるのは14歳の子供と限定されているのですが、作中に描かれるサードインパクトが起きた14年後の世界がカギになっています。
登場する謎の言葉やマークなどを解説しましょう!
エヴァンゲリオンには深い意味を込めた物や言葉が多く登場します。それらのいくつかを解説します。
人造人間エヴァンゲリオン
ロボットではなく人造人間ってところがミソで、母親の魂を宿らせ神に進化させる目的から人間である必要があるのです。
使途
英語表記ではANGELとなり神の使途の意味合いがあります。作中では13体を殲滅せねばならず、この数はキリストの12人の弟子にキリストを加えた数だと言われています。
死海文書
1947年に実際にアラビア半島の死海で発見された聖書に関する大量の文献で、人類の誕生と未来が掛かれているとされていますが内容のほとんどが非公開で謎とされています。
本作では、この謎の部分を活用して人類を一掃し命の実を得た新たな人類を創造するストーリーが展開されます。
白き月と黒き月
聖書に登場する知恵の実と命の実のメタファーとして描かれています。
知恵の実を得た人類をリリスと称した人間、命の実を得たもう一つの人類を使途としています。
特務機関NERVとそのマークの意味
碇ゲンドウが統括する組織で、知恵の実を食べたエヴァがイチジクの葉で身を隠した事からこのマークが使用されています。
葉が半分なのは、碇ゲンドウの目的が完遂されていない事の現れだと言われています。
ゼーレ
NERVが所属する母体組織とでも言えば良いのでしょうか。
人類が犯した過ちを贖罪するために、人類を浄化/再生する事を目的にしています。
更に奥が深い「知ってると楽しめるネタ」諸々!
登場キャラは全員戦艦や船に由来する名前がついています。
碇、綾波、惣流、赤木、加地…戦時中に実在した戦艦や空母、船のパーツなどが文字変換されたりしてつけられています。
船の英語の代名詞は「SHE」。つまり母になり得る女性のメタファーになっているのです。
ロンギヌスの槍
聖書に記載されている、十字架に張り付けられたキリストの生死を確かめる為に突き刺された槍で、作中では人間であるエヴァが神に昇華する為のアイテムとして描かれています。
ここから「新劇場版Q」の考察へ!
「Q」になった途端に全く理解不能な展開に頭を悩ませた人も多いと思いますが、私もその一人です。
芯を食った考察も色々とあるので、端的に書いていきます!
- 「破」の時点で13体の使途を殲滅するという目的が達成できなかったゲンドウがNERVを解体して神になる目的を完遂する為にカヲルを利用するストーリー。
「さすがシンジ君の父上、リリンの王だ」byカヲル - 本来は第1使途だったカヲルでしたが、リリスの魂が宿ったエヴァ1号機を殲滅できない事から1巡してカヲルを第13使途として殲滅して目的を果たそうとした。
「始まりと終わりは同じ」byカヲル - マリはゲンドウと同年代?鼻歌や言葉遣いからエヴァの呪縛で14歳のまま、しかもゲンドウの目的を知っていたか途中で気付いたと考察。
「ゲンドウ君の目的はこれかぁ」byマリ
愛するユイ(ゲンドウの妻でありシンジの母)が神になり得る初号機に宿っている事で、ゲンドウもユイと「人類のアダムとエヴァ」なろうと画策したものの、目的の達成を目前にシンジが障害となった事でQの展開になっているんじゃなかろうかと。
相変わらず知恵熱が出そうな内容ですが、私の粗末な考察が参考になれば嬉しい限りです。
※ネットなどで色んな方の考察も参考に書かせて頂きました。
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